SDGsから読み解くこれからの外構工事に必要なこと
いつもご覧いただきありがとうございます。富山です。
最近よく聞く「SDGs」ですが皆さんのお勤め先ではもう「SDGs宣言」を策定済みでしょうか?! 遅ればせながらようやくぼくも当社の取り組みを考え始めたところなんです。
なんだか雲を掴むような話しで最初は軽い気持ちで考え始めたのですが、実はこれ、むちゃくちゃ重要で今まさに直面している喫緊な課題であることが分かって、身震いしながら頭を悩ましているんですよ。
急速な人口増加とアジェンダ21、そしてSDGs
1950年頃は約25億人だった世界人口が1980年代後半では2倍の約50億人まで増えて、それに伴い環境破壊が深刻な社会問題化していた1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミットにおいてアジェンダ21が採択されました。アジェンダ21は、「森林破壊や砂漠化、有害物質の管理などのさまざまな問題に対して行動を起こし、持続可能な社会へと変化させていくこと」を目標に掲げられたのですがお題目ばかりで具体策がなく成果が得られませんでした。
その後、2001年にニューヨークで開催されたミレニアムサミットにおいて以下の項目をミレニアム開発目標(MDGs)が新たに掲げられました。
- 極度の貧困と飢餓の撲滅
- 初等教育の完全普及の達成
- ジェンダー平等推進と女性の地位向上
- 乳幼児死亡率の削減
- 助産婦の健康の改善
- HIV/エイズ、マラリア、その他疫病の蔓延の防止
- 環境の持続可能性確保
- 開発のためのグローバルなパートナーシップの確保
それでもやっぱりお題目ばかりで遅々として進まず、相変わらず環境破壊はとどまるところを知らず、いよいよ世界の人口は80億人に迫ろうとしています。そんな中で2015年のサミットにおいて採択されたのが「持続可能な開発目標」SDGsである訳です。
アジェンダ21から30年間、ことごとく課題は解決されずに人口は増え続けているし、環境問題も解決の糸口も掴めなかった。しまいにはコンビニやスーパーのレジ袋まで有料にさせてお茶を濁す始末です。分かりますか?この切羽詰まった感。あ、これ日本だけの話じゃなくて海外旅行に行かれた事のある方はご存知のように海外では日本より何年も前からレジ袋は有料化されてましたし、むしろ日本での有料化は遅いくらいです。
そんな中で掲げられたSDGsですよ!もう失敗は許されないんです。それくらい世界は本気なんですよ。このSDGs
2015年の国連サミットで採択された2030アジェンダはよーいドンで2020年1月から世界各国で開始され、2030年をゴールとして「行動の10年」がスタートされました。ここでピンときた方は感が良い。国連、と言うか世界の本気度がここで伺えた方はとても感が良い。
いずれにせよそれまでのお題目だけじゃなくてSDGsは何が何でも達成させなければならない人類の全体の目標となった訳ですから、これはエクスリーフも本気で取り組みを考えねばならないのです。
消えていく安物と安売り
ここでちょっと具体的なSDGsの17項目をちょっと見てみましょう。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
これ読んでどう思いますか?これを本気で世界が取り組んだらどうなると思いますか?!
17項目もあるんで一つ一つ取り上げると明日の朝になっちゃうのでまとめますけど、モノを安く売るためには大量に作って、従業員を安くこき使って、品質を下げて、それを一気に売りさばく事なんです。これってSDGsとは真逆ですよね。つまりは簡単に壊れなくて永く使えるモノを環境にやさしい作り方で従業員にまともな給料を払いながら造って売りましょう。ってのがSDGsだって事なんじゃないでしょうか。
それは売る側だけの問題ではなく、買う側もそういう品物を買わなければ課題は解決しません。世界は本気ですから、このままいくと品質が劣る安い商品は早々に世の中から無くなっていく事が予想されるので買いたくても買えない。あるいは安物しか造れない業者は世の中から退場を余儀なくされる事になるのではないでしょうか。
これを本気で取り組むということは取りも直さず物価が上昇し、大量生産・大量消費の終焉が訪れると感じるんですよねぇぼくは。
これからの衣食住に必要なこと
これを外構工事で考えてみると、例えばアスファルト舗装。耐久性には劣るけど初期投資が安く済むので多くの方が自宅の駐車場をアスファルトで舗装するのですが、今までは壊れたら直せば良いやと簡単に考えられたワケです。ところが原油価格や輸送費、人件費の上昇に伴って今後はアスファルト舗装に限らず、あらゆる舗装の価格は上昇するでしょう。そうなると永く使えるコンクリートなどの耐久性に優れた舗装が求められるのが通りです。
消えていくアスファルト?!
あまり世間では騒がれていませんがコンクリートやアスファルトの原材料となる川砂が世界的に不足していて、ビルの建設ラッシュが続いていた中国では台湾沖の海に砂採取船を大量に派遣し、海の底をさらいまくったせいで環境破壊が一気に進んでしまったりもしているのです。日本でも砂は本当に枯渇寸前ですから、コンクリートに海砂が使われるいるのではないかと心配する声も聞こえてくる程です。そんな事はないと思いたいですけどね。
こういった事を無くすためのSDGsでもあるんですね。もちろん道路など場所によってはアスファルトが適している場合もあるのでアスファルトが世の中から消えてしまうワケではありませんよ。でも、今までのように安くはなくなる可能性があるって事です。あるいは再生アスファルトでなければ買えない状況になる事も大いに予想されます。
それからロードヒーティングや融雪槽も消えていくかもしれませんね。エネルギーの価格がどんどん高くなっていますからコスト面でも不利ですし、ロードヒーティングの上にアスファルト舗装を敷くと著しく耐久性が落ちてしまうので、その意味からも敬遠されるでしょう。
それに人口減少が本格的に進んでくると除雪や排雪も値段が高騰する可能性がありますから、除雪が不要になるカーポートの人気がますます高まることが考えられますね。広い土地をお持ちの方は心配ないんでしょうけど。
野菜は自宅で育てる時代に!
食料品もどんどん値上げが進むでしょうからお庭に家庭菜園を造ることをお勧めします。自分で育てる野菜の方が農薬や遺伝子組み換えの心配をせずに済みますし、造る楽しみも、そして体を動かして日光を浴びる事で健康にとても良いのですから土地がありながら家庭菜園を行わないなんて勿体無いじゃないですか。
こんな事を言うと仕事が忙しくてそんな暇がないと口々におっしゃりますがもう一回よく読んでみてください17項目を。2030年以降SDGsが達成された後の世界は休日にのんびりと野菜を育てるくらいの時間的なゆとりが得られているハズですよ。そのためにも粗末な安売り品を買わないで、少々高くても従業員にちゃんとしたお給金を支払ってちゃんとしたモノを造る会社から買うべきなんでしょう。
地産地消が当たり前に!
今までは安い輸入品を買うことが当たり前でしたけれど、これだけ円安が進んで、さらに輸送コストが爆上がりしていることを考えると食料品もさることながら外構工事に使われる資材も国産品、って言う地元の生産業者さんのモノを買う時代になってくる。たとえば今まではブラジル産やジャワ産の天然石を仕入れてお客様にお勧めしてきましたけれどこれからは北海道産の天然石を積極的に取り扱っていくべきなのかもしれませんね。江別産のレンガもその一つです。探せば良い材料がいっぱいあるんですから当たり前に輸入品を提案するのは改める必要がありそうです。
安物買いの銭失いは無くなる時代に!
ここまで長々とお付き合いいただきありがとうございました。自社のSDGs宣言を考えるために今回のブログを書いたみたいな感じで読んで頂いた方に申し訳ない気持ちでいっぱいですけど、最後に一つだけお伝えしたいのは「安いだけの粗末な外構工事は絶対にやめたほうが良い」と言う事です。なんなら今日の話しは全部忘れてこの話しだけでも覚えておいて欲しいです。せっかくお金だして造ったのにすぐに壊れるのは悲しすぎるし、しょぼいデザインだと完成しても満足はできません。そのうえ、数年後に壊れた時に値段が高くなりすぎて直そうにも直せなくて壊れたまま使い続けるなんて想像に耐えがたいでしょ。それに壊れると不要な廃棄物を生み出すだけでSDGsに逆行しているワケだし。
今回、調べてみて分かったのですが世界は本気ですよ。2020年の1月から世界は大きく変わり始めています。急激な物価上昇や物資不足はパンデミックの影響と捉えがちですがその裏で着々とSDGsが進められていて安物買いの銭失いは世の中から姿を消そうとしています。今はまだ安物も手に入りますが5年後10年後はどうなっているか、その時になってから後悔しても遅いのですから。
今日は「SDGsから読み解くこれからの外構工事に必要なこと」についてをご紹介させていただきました。外構工事を考える上で皆さんの参考になれば幸いです。
それではまた。