新築時にウッドデッキを作って後悔する2つの理由
新築で家を建てる際に安易にウッドデッキを作ってしまって後悔されている方、実はとても多いのです。
- あっという間に腐ってしまった
- 人目に付く場所にあるので落ち着かない
- ジメジメしていて虫が出そうで・・・
ぼくがお客様とのヒアリングでもっとも多く伺う後悔の理由ベスト3です。え?そうなのと驚かれるかも知れませんがこれは事実です。なぜ?この様な後悔につながってしまうのか、いきなり最初に答えを言っちゃいます!答えは2つ、それはズバリ「ソフトウッドを使っているから」と「使い方を考えずに設置場所を決めているから」です。具体的にどういうことなのかご説明します。
なぜウッドデッキを付けられたんですか?と伺うと「設計士さんや建築会社さんに勧められて」とか「サービスで付けておきました!」といったお話しを本当によく聞きます。
例えばこんな感じで
[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="1.jpg" name="建設会社の営業さん"] サービスでウッドデッキでもつけましょうか?[/speech_bubble]
[speech_bubble type="drop" subtype="R1" icon="2.jpg" name="お施主様"] え?いいんですか?考えてなかったけどじゃあ[/speech_bubble]
[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="1.jpg" name="建設会社の営業さん"] ではスペースが空いているのでここに置きましょう?![/speech_bubble]
[speech_bubble type="drop" subtype="R1" icon="2.jpg" name="お施主様"] 良くわからないのでお任せしますね[/speech_bubble]
ようするに大した金額じゃないから付けときますよ的な話しですがこれが間違いの元なんです。
値段が安く加工が楽なソフトウッドは腐りやすい
ウッドデッキの材料は加工し易く価格が安いソフトウッドを使う場合が多く、その安価なコストのせいでろくな検討もせずに不用意に設置してしまうケースが後を絶たないのです。ソフトウッドとは文字通り軽くてやわらかく、切ったり繋いだり、あるいは下穴を開けななくても簡単にビスが打てるので最近ではDIY用にホームセンターでも売られているデッキ材です。主な材料としてはSPF材<エゾ松やパイン材、もみの3種類の木材のいずれか>やレッドシダーといった比較的に寒いところで育つ亜寒帯針葉樹林がソフトウッドと呼ばれる材料です。
このソフトウッドは耐久性が低く、屋外の使用では毎年塗装しなければ、おおよそ2~3年程度しか持ちません。きちんと塗装を行っていればある程度は持ちますが塗料が塗れないような基礎との接続部分などの水気を吸いやすい場所は頑張って塗装しても結局のところ5~10年ほどしか持ちません。それでいて一回の塗装代も毎年数万円もの塗料費が必要で維持する為にはそれなりのコストが掛かることになるのです。つけてくれるなら「まいっか」と安易にお願いしてしまうとその後の維持費に悩まされることになりますので注意が必要です。
腐って土台から浮いているのが分かりますか?!
ここまで来ると手の施しようがありません。でもこれは珍しい例ではないんですけど
デッキ材は温もりを感じるハードウッドかローメンテな人工木がおススメです。
ウッドデッキに最適なデッキ材は大きく2種類あって、価格的には大きな違いはありませんがそれぞれメリットデメリットがあるのでご紹介いたします。
天然木の温もりを感じるハードウッド
天然木を使用するならば東南アジアや南米などの熱帯雨林で育ったハードウッドがおススメです。ウリンやイペ、セラガンバツーなどのハードウッドは湿度が高い地域で育つ樹木なので腐りにくくとっても丈夫です。塗装しなくても15年や20年は持つと言われるくらい丈夫です。そのかわり値段も高く、硬くて切ったりビスを打ち込むのも大変なので難しい加工は苦手で、しかも非常に重いのでDIYで使うにはハードルが高いです。
ローメンテな人工木デッキ材
樹脂に木粉を練り込んで成型された人工の木材は腐りにくく、おまけに色褪せが少なく塗装も不要なので維持費が掛かりません。値段的にはハードウッドと同程度で設置が可能です。デメリットは熱による収縮があるため、ある程度の隙間が必要なことと直射日光にあたると表面に熱を持つので素足で歩くことは出来ないので注意が必要です。また、腐りにくいと言っても木粉を含んでいるので常時濡れるような場所においては腐る可能性もあるので設置場所や施工には注意が必要です。
木目が施された人工木も新発売
昨年LIXILから発売された人工木デッキ材、樹ら楽ステージの木彫タイプは表面に細かな溝が掘られていて、その陰影がナチュラル感を演出してくれるデザイン性に優れた人工木デッキ材です。
どういう使い方をするのかをイメージする事が大切です。
次に大切なのが設置場所、できれば住宅の設計段階からウッドデッキの使い方や設置を決めて敷地を含めた住宅の間取りや窓の大きさ、形状などを同時に決めておくことが肝要です。たまたまそこにスペースが空いていたから、などと安易に設置すると使わないで後悔するどころか、あっという間に腐ってしまって、そのまま放置するとたいへん危険です。
人目に付く場所で落ち着かない例
歩道の近くや人目に付きやすい場所では落ち着いてくつろげません。
薄暗くて湿っぽい例
また、敷地の東側や建物の陰になって日が当たらない場所などに設置すると腐食を早める結果となるばかりかジメジメして虫が多くなり、そこに立ち入るのが嫌になってしまうほど使われない場所となってしまいます。
では、せっかくウッドデッキを設置しても数年で腐ってしまったり、使われないまま放置されるような結果になるくらいなら最初から設置しない方が良いでしょうか?! いいえ、そうではありません。
ウッドデッキのある暮らし
快適かつ健康的な生活には外で過ごす時間はとても大切な時間です。のんびりとリラックスして過ごせるデッキがあると例えば読書を楽しんだりとか、お子さんと将棋指したりとか、ペットのワンちゃんを遊ばせたりとかって、休日の過ごし方も随分と変わって来ることでしょう。正しいウッドデッキを造って、あなたも気持ちの良いそよ風に吹かれながら、ぽかぽか陽気のなかで気持ちいい休日を過ごしませんか?!