~北欧デザインと外構~ 道民が北欧を好きな理由とは
今日は気温も18度まであがり昨日の雪は何だったん?!ってほど春の息吹を感じるとても良いお天気でした。ほんとにホントに今度こそ長い冬が終わったぞーって気がしますよね。だって、なんせ11月~2月までの札幌の日照時間は平均で1カ月約96時間しかなくって、一日あたりで計算するとたった3時間弱しか太陽の光を浴びてないワケですから、そりゃもう待ちに待った春の日差しなんですよ。
なんでこんなにも道民は北欧デザインが好きなのか?!
ちょっと前に当社の取引先であるIKEAの新年会に参加したときに、担当者に「早く北海道に出店して下さいよぉ」って発破をかけたら「え~?だって北海道はニ〇リさんのお膝元だからさぁ」って言うんですよね。ハア?何言ってるんですか!北海道民は北欧デザインを愛してやまないIKEAファンがいっぱい居るんですよヽ(`Д´)ノプンプンって反論したら「あ、確かに先日TVでスウェーデンナントカって北欧風な街の特集やってたよね!」 ってな感じのちょっとした討論になったんです。(まあ、お酒の席なので話し半分って感じですけど・・・)
今になって考えてみると確かに道民には北欧ファンが多いけれど、なんでなんだろう?と沸々と疑問が湧いてきました。だってスウェーデンヒルズなんて言う北欧みたいな街まであるくらいなんですからね。
そもそも北欧ってどんな国?
北欧とはフィンランド・ノルウェー・デンマーク・スウェーデンからなる北欧諸国の総称で、美しい森や湖などが多く存在している寒い気候の国々ですよね。森や湖がいっぱいあって寒い?!それってまるっきり北海道じゃん?! 言ってるそばから共通点が・・・まあ、そうは言っても向こうの方が遥かに寒いっしょ!って今思いました? いえいえ、実は北海道の方がずっとずっと寒いです。
実は北欧よりも寒い北海道
例えばスウェーデンの首都ストックホルムと札幌市の気候をWikipediaのデータで比較して見ると”日平均気温”も”平均最低気温”も札幌の方が低い事が分かります。そりゃそうです、だって旭川市なんてモスクワよりも寒いんですから。でもその割に北欧住宅の方が断熱性能は圧倒的に上で、家の中の暖かさも気温も北海道の方が寒いらしいです。
その為なのか、スウェーデンハウスのサイディングは21mmが使われており、一般的な14mmや16mmのサイディングと比べると遥かに暖かいそうな。
北欧デザインとは?
では、北欧デザインとはいったいどんなデザインなのか?! 別に何かしらの定義が存在するわけではありませんので、これはあくまでもぼく個人の主観でしかありませんが整理するとこんな感じ。
- 温もりを感じさせる明るい色調と鮮やかな色彩
- 自然素材を活かしたシンプルなつくり
- メンテナンスをしながら長く使えるもの
- 職人の技による美しさと高い質感
ぼくのイメージする北欧デザインはIKEAのデザインにも共通している事ですが木やレンガなどの自然素材の暖かな色合いと温もり、そして相反するやや大胆で斬新なデザイン、そして何よりも熟練の職人技による美しさと高い質感にあると思っています。
アーツ&クラフツ運動と民藝
19世紀のイギリスで起こった産業革命によって、機械で大量生産された粗悪な日用品が溢れかえった生活の中で「伝統的な職人の技によって作られた美しい日用品で生活の質を向上させよう」そんな理想の元で「アーツ&クラフツ運動」は起こったと言われています。結果的に当のイギリスではハンドメイドと言うよりもオーダーメード的な立ち位置となって手作り品が高級化してしまい、お金持ちの欲求を満たすだけのモノになってしまった訳なのです。
ですが一年の大半を室内で過ごす北欧の人々は”生活空間の質へのこだわり”が強い人が多く、大量生産を良しとしなかった多くの人々が「アール&クラフツ運動」を強く支持した為、今でもその影響は北欧デザインに色濃く残されていると考えられているのです。
実はこの「アール&クラフツ運動」は日本でもその活動が支持され「民藝運動」として大正時代からいま尚続いています。よくスーパーなどで「民芸品売り場」とか「民芸家具」とかって書かれているのを目にすることがありますが正にそれが民藝運動が残した軌跡でもあるのです。
自然素材と職人の技による北欧デザイン
話しがずいぶんと横道に逸れてしまった感があるので引き戻して整理してみると
一年の多くを室内で過ごす北欧の人々にとって生活の質はとっても大事な事で、日が差さず暗くなりがちな室内に置いてはとくに温かみや温もり、あるいは明るさが大切である。
また、大量生産されたモノでは無く木やレンガなどの自然素材を熟練の職人によるハンドメイド的なモノがより好まれ、それが北欧デザインの根幹であり、それは北海道民にも共通する趣向なのではないかと。
理屈じゃなくて感性で見て欲しい
ここまで読み進めて下さった方に感謝します。だって自分で書いていても「ごちゃごちゃうるさいよ!」って言いたくなるほど理屈っぽい話しになっちゃいましたし。でも理屈なんてどうでも良いですよね。ぱっと見てオーナー様に「あゝなんか北欧チックで良いね!」って言って頂ければそれだけでプランナー冥利に尽きるし、その為に職人さん達も技を駆使して仕上げてくれているのですから。
平板をキレイに並べていくこの作業も簡単には出来ない熟練の技によるものです。どうですか?スッと目地が通っていてキレイでしょう?! 少し目地が広い部分がありますがココにはピンク色の砕石を敷き詰める予定です。
元々は窯に積まれていた古レンガを剥がして再利用して敷いています。これも大小さまざまに丸く角が落ちているので敷くのは結構たいへんでがそれだけに味わい深くて素朴な美しさが感じられます。
現在工事中のこちらの住宅、今日から仕上工事に移行しているので徐々に徐々に北欧っぽくなって来ていますよ。自然素材と職人の技がどのようなカタチとなって現れるのか?! たぶんそれは図面で見るよりもっと素敵なハズです。