横山大観の想いが宿る日本庭園を観てみたら
いつもご覧いただきありがとうございます。富山です。
今年は近代日本画壇の巨匠、横山大観の生誕150年という事で記念の展覧会が開催されるそうなんです。それでふと旧大観邸で観た素敵なお庭の事を思い出したので皆さんにご紹介させて頂きたいと思います。
と、その前に日本の住宅と窓についてを少し考えてみたいと思います。
以前ブログで「吐き出し窓の出入りには簡易ステップや縁台がおススメです!」という記事を書いたのですが、これ実際に困っている方が本当に多いんですよね。
ところがですよ、そもそも日本の住宅には古来から縁側があって、家の中とお庭はひとつの空間として繋がっていたワケですよ。それがいつの間にやら縁側が消えてしまって、掃き出しの窓だけが取り残されてしまったんですね。
考えてみてください、外国の家には勝手口はあっても掃き出しの窓があるイメージなんてないでしょ?!
実はこういうお家の造り方って、日本建築の良い所なんです。
吐き出し窓の出入りには簡易ステップや縁台がおススメです!
ツーバイフォー住宅には大きな窓はつけられない?!
IKEAキッチンの正規取扱店を営むほど、ぼくは北欧の家やインテリアが好きなのですが、たった一つだけ残念なのが窓の大きさが全体的に小さい事なんです。
と言いますか、日本の住宅の窓が世界的に見ても大きいんですね。
日本の住宅の7割は在来工法という柱や梁で家を支える木造住宅でつくられているのに対し、北米をはじめとした海外の住宅は壁で家を支えるツーバイフォー工法が主流となっています。
構造上、壁で家を支えているワケなので床から天井まであるような大きな窓は付けないのが一般的のようなのです。もちろん大きな窓を取り付ける事は出来るそうですが、構造計算が複雑で挙句にコストアップにもつながるし、リフォームが容易には出来ないらしく、結果的に窓は腰から上の大きさが多いそうです。
それに比べて日本建築の窓は本当に大きい。そんな日本建築の大きな窓から見たお庭の景色で、ぼくには忘れる事の出来ない庭園があるんです。それは東京、上野にある旧横山大観邸の庭園です。
横山大観の想いが宿る庭園
明治から昭和にかけての近代日本画壇の巨匠、横山大観。
上野、不忍池のほとりにある横山大観旧宅は大正8年に建てられた数寄屋作りの家屋と大観がこよなく愛した立派な庭園です。残念ながら東京大空襲で一度は消失してしまっておりますが昭和29年にほぼ同じ形で再建されているそうです。
撮影は厳しく制限されているので庭園の画像を写すことはかないませんでしたが今でもあの窓からの景色は忘れません。一階にある「鉦鼓洞」しょうこどうと名付けられた客間から見たお庭はそれは美しい眺めでした。
元来、日本の邸宅は建物のまわりを庭で囲わなければ完成しないと言われているのですが。この大観邸はこれぞ正しく日本の邸宅と思わせるほどのお庭がそこにはあるのです。
現在は横山大観記念館として一般にも公開されていますので上野に行かれた際はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。台東区のガイドブックに大観邸を紹介しているページがありましたのでリンクを貼っておきます。是非ご覧下さい。
台東区のガイドブックに大観邸の紹介ページがありました。
リンク先:http://taito-culture.jp/topics/famous_persons/taikan/japanese/page_01.html
また、今年は大観の生誕150年を記念した横山大観展が東京と京都の国立近代美術館で開催されます。
2018年4月13日~5月27日 東京国立近代美術館
2018年6月8日~7月22日 京都国立近代美術館
今回はあの有名な屏風絵である「夜桜」と「紅葉」が一度に公開されるとのこと。いやあ、これは観てみたい! 公式HPを覗いてみて下さい。トップページの夜桜と紅葉、それから群青富士、生々流転の4作から伝わる迫力に魅了されます。嘘じゃないです。本当です。あなたも絶対に観たくなるはずですから。
生誕150年 横山大観展 公式HPはこちらから
というわけで皆さま、とりとめのない話しをここまでお読みくださりありがとうございました。
ぼくはサラリーマン時代にアメ横を散歩するのが好きで、よく上野に足を運んでいたのですが、そこでぷらっと立ち寄ってみたお庭がとっても素敵だったんです。
そんなワケで横山大観の話しに夢中になっちゃいまして、そうこうしているうちにお時間となってしまいました。この続きはまたどこかで。
うん、でもやっぱり窓からお庭へ出られるようにした方が絶対に良いなぁ・・・
それではまた。