New moral standard
東京オリンピックのロゴマークを盗用したとかしないとか最近、そんなニュースが世間を騒がせています。デザインをシンプルにすればするほど類似してくるのは同じくデザインする者としてよくわかります。だからぼくは出来るだけ他社の書いた図面は出されても見ないようにしています。キャンパスは白い状態から書きたいのに見せられるとイメージが残ってしまってやっぱり無意識に影響を及ぼしてしまうから。
基本的にデザインは無料です。
但し、これは施工を前提としたお話しです。ぼくは一軒一軒、丹精込めて真剣に図面を書いていまして、一日の半分以上をデザインと見積りに費やしているんです。
つまりぼくの人件費の半分以上はプランニングに使われている訳で無料と言っても経費は掛かっているのです。
デザインをしない工事専門業者
一方で全くデザインはしない、図面も書かないそんな工事専門の業者さんも存在しているワケで「うちはデザイン出来ないけど他社の図面があれば安くつくってあげるよ」などと言う始末。確かにね、デザインするのも図面を書くのも経費が掛かるからね、そうそうその通り!っておい!そんな事を言っていて恥ずかしくないのか?!ぁーもう。
しまいにはボクが書いた図面がぼくのところに回ってきて「これで幾らになる」・・・・・・・・?ご丁寧に会社名などは消してありますけど自分で書いたプラン図はすぐに分かりますからねぇ。これはその依頼主さんが図面を他社にまわし他社がウチのプランと知らずに下請けとして見積もり依頼を回してきた、ウソのようなホントの話し。
ぼくの描くデザインは施工が面倒
図面さえあれば誰でも施工出来るワケではありません。そこには見えない知恵や工夫、そして使う方のことを本気で考えた気持ちが込められているんです。それにデザインは複雑にするほどに施工が難しくなりがちです。だから職人さんとはギリギリのところで協議を重ねてお互い本気でやり合っています。材料も他社が扱った事のないモノや扱えないモノもあったりするので図面があっても同じものは作れません。
似て非なるもの
図面を一度書いたっきり音沙汰なし。そんなお客様は珍しくありません。プランがお気に召さなかった予算に合わなかった社長の顔が嫌いだった理由はイロイロあると思います。
でも理由はどうあれ、一度かかわったお客様には満足の行く、素敵なガーデンライフを手入れて欲しい。そう願うばかりですが他人の描いた図面を元に施工してもプランナーの意図するところが理解されていなければそれは即ち「似て非なるもの」例えるならば芸能人にちょっと似ている残念な人、なワケです。予算が合わないのなら一緒に知恵を絞ってコストを抑えましょう。プランが気に入らないのなら何度でも描き直します。最初から図面だけが目あてのご依頼は遠慮して頂きたい、ただそれだけなんです。だからこの考え方に賛同します。
これは極端な例ですけど同じ工事でもこれだけ品質に差が出ると言うことです。職人さんが半泣きで「もう帰りたい」とまで嘆いたけど見事に完成させてくれた現場です。