強いアスファルト舗装にしてください!の強いって何のこと?

舗装

「強いアスファルトにして下さい!」お客様からちょいちょいこんなご要望を頂戴します。ひとくちに強いと言っても場所や使用状況に応じて最適な表面の仕上法は異なりますから、一概にどれが良いとは言えません。そこで今回はアスファルトの歴史から種類のご紹介、そして場面に応じたおススメの工法をご案内いたします。

アスファルトの歴史

そもそもアスファルトとは石油をガソリンや灯油などに精製する過程で一番重くて一番最後に残った油が道路などに使用されているアスファルトです。他にも地中から湧き出したり、石灰石や砂岩、砂などの鉱物にしみ込んでいたりする天然系のアスファルトも存在しています。紀元前3000年頃にはミイラを腐らせないようにするために使われたり、あるいは接着剤としてバベルの塔の建設に使用されたとの記述が旧約聖書にも登場しているほど、古くから存在していたようです。日本で最も古いアスファルト舗装は坂本龍馬の支援者とも噂される武器商人トーマスグラバーの邸宅で有名な長崎のグラバー邸とも言われています。

*日本最古のアスファルト説は諸説あり
*日本最古のアスファルト説は諸説あり

アスファルトの成分

成分のほとんどは骨材と言われる様々な大きさの砕石と砂、フィラー(粉石)で構成されています。アスファルトそのものは全体の5%程度しか使われいません。これらは一括りでアスファルト混合物と呼ばれます。北海道などの寒冷地ではタイヤチェーン等による摩耗対策としてフィラーを多く含んだ混合物が主に使われています。

細粒・密粒・ポーラスの混合物の割合(出典:日本アスファルト協会)

上の画像をご覧頂くとお分かりのように粒の大きな粗骨材と小さな細骨材、もっと細かい粉状の石(フィラー)の割合を変える事によってそれぞれの場所に適した混合物を作っています。

アスファルト混合物の種類

道路や駐車場の表層に使用するアスファルト混合物にも多くの種類があり、使用する場所や地域、あるいは道路のカーブ面や通行量の多い場所少ない場所などの使用状況に応じて使い分けられています。今回はその中でも北海道の家庭用の駐車場に使われる代表的な混合物をピックアップしてご紹介いたします。

アスファルト混合物 わだちに強い すり減りに強い 凍結に強い すべり難い タイヤ痕がつき難い 透水性
細粒アスコン
細粒ギャップアスコン(当社標準)
密粒アスコン(当社標準)
密粒ギャップアスコン
開粒アスコン

どんな場所に適しているのか?!

さて、ここまでアスファルト混合物の歴史とそれぞれの特徴をご紹介でした。最後は肝心などんな場所にはどの混合物が適しているのかをご案内したいと思います。

昭和の時代まで北海道の国道をはじめとした一般道では凍結融解に強い細粒度ギャップアスコンが主流で使用されていましたがスタットレスタイヤの普及や細骨材の値上がりを理由に現在は密粒度アスコンが最も多く使われております。当社では”わだち”や”すり減り”に強く、タイヤ痕が目立ちにくい密粒アスコンを標準で採用しておりますがカーポートを設置する場合や比較的乗り入れの多い駐車場などは補修跡が目立ちにくい細粒ギャップアスコンを使っています。

その他では傾斜がキツイ場所には密粒ギャップアスコン(ギャップとはあえて隙間を作って表面を不連続に仕上げる方法)を用いたり、大型の駐車場などで水勾配がとれない場合などでは透水性アスコンを使用する場合もあります。

密粒アスコン
密粒アスコン

透水性舗装は凍上の危険があります

水たまりの防止を理由に透水性の舗装を希望される場合も多いのですが雨水などをそのまま地中に還元する透水性舗装を施す場合、地中の水分が凍って盛り上がるいわゆる凍上が起きる可能性が高まります。一般的な家庭用の駐車場においてはしっかりと水が流れる勾配を付けて舗装しますので水たまりの心配はほとんどありませんので特別な理由が無い場合は密粒アスコンをおススメ致します。

ただし、冬期間は使用せず雪に覆われている場合や下層に不透水層を設けて排水処理を施す排水性舗装を行う場合はその限りではありません。

透水性アスコン
透水性アスコン

透水性アスコン以外は外観にそれ程の違いが無いので一見すると分かりにくいのですが一口にアスファルトと言っても様々な種類が存在します。少しでも検討のお役にたてましたら幸いです。

M.TOMIYAMA

どういうワケか右と左の足の長さが2cmも違うんです。おまけに靴のサイズも左右で違うんです。これって一体どうやってそうなっちゃったんだろう( ^ω^)・・・

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