寒冷地で透水性コンクリート「ドライテック」はアリ?ナシ?

舗装

いつもご覧いただきありがとうございます。富山です。

ちょっと前のブログで舗装には勾配をつけないと水たまりが出来ちゃうよって話しをご紹介させて頂いたんですけど、今日はその解決策として有効な透水性コンクリート舗装「ドライテック」をご紹介させて頂きたいと思います。

 

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By M.TOMIYAMA | 2018年9月1日
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”透水性コンクリート”つまり水が地中に浸透していくコンクリートって事なんですけど、実はこれただ水が浸透していくだけではなくて、普通の土間コンクリートよりもローコストで造ることが出来るお財布に優しいコンクリートだって事なんです。

え?水が浸透するだけでなくて、おまけに安いの?!それホントなの?ってワケで先日、生コンの工場に伺って説明会に参加してきたのでその時の様子を交えながらご紹介させて頂きたいと思います。

それにしても寒い札幌でそんな舗装、大丈夫なんだろうか??? これ、きっとみんな思う疑問だよねぇ。

ドライテックの説明会に参加しました!

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右の方がこのドライテックを開発された生コンポータル主幹の宮本社長さんです。当日は宮本さんご自身がレーキで均したり、プレートコンパクターで転圧されたりと、大忙しで一生懸命に説明して下さってました。

今回は実際に生コン工場の一角に暴露試験を兼ねて透水性コンクリートを施工されまして、春までは放置するそうなので一冬越したらどうなっているかを改めて確認しに伺いたいと思っています。ご興味がございましたらご一緒にいかがでしょうか?!

施工が簡単でしかもお安いコンクリート!

施工はいたって簡単!! 型枠にドライテックを流し込み、平らに均してからプレートコンパクターで転圧して、あとは不陸を調整するのみです。 ちなみに表面がボコボコしているのでヘアクラックを軽減するためのワイヤーメッシュや鉄筋などは不要です。

つまり施工が簡単で短時間、しかもワイヤーメッシュや鉄筋などの材料費も削減できるので通常の土間コンクリートよりも安く済むという、何んとも経済的なコンクリートなんです。

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骨材が剥離したり、空隙が埋まる心配も無い!

アスファルトでも似たようなポーラス(多孔質)タイプの舗装方法がありますがあちらは接着が弱くて骨材がポロポロと剥がれて周囲が石だらけになってしまう事と古くなって緩んだアスファルト溶剤が空隙(骨材と骨材の隙間)を埋めてしまうため、時間と共に排水性能が落ちるのでぼくはおススメしていません。

ところがこのドライテックは接着能力が抜群に高く、骨材が剥離する心配がない。しかもアスファルト溶剤と違って空隙が埋まってしまう事も無い、と宮本社長が自信満々で説明されておりました。

ちなみにホコリや塵で空隙が埋まってしまう可能性はあるので定期的に高圧洗浄機で洗い流すことをおススメしますとのことでした。

透水性アスコン
透水性アスコン

見た目が似ていますがこちらの透水性アスファルトはこの粒々がぽろぽろと剥離するのでクレームが多くて、ぼくは取り扱っていませんが見た目が珍しいので人気はあるようです。

本当に札幌でも問題は無いのか?!

施工が簡単でコストも安い、おまけに勾配を考えないで済むので良い事だらけの透水性コンクリートなのですが、最大の問題は本当に寒冷地である札幌でも使って良いのか?!って事に尽きる。

寒冷地での問題は「凍結融解」と「凍上」の2つ

凍結融解とはコンクリートの中の水分が凍結することで体積が膨らみ、その圧力によってひび割れが発生する現象。これについては、そもそもポーラス構造なので空隙が大きくてたくさんあるので膨張しても逃げ場があるためひび割れの心配は無いとのことです。

問題は「凍上」です。凍上とは地中で水分が凍ることで体積が膨張し、下から舗装材が押し上げられる現象をいうのですが、この問題はやはり心配が残ります。透水性コンクリートは空隙、つまり隙間がたくさんあるので水分が膨張しても受け止める事が出来るけれど、コンクリートの下の地面はそうもいかないということです。

まあ、凍結深度まで深く路盤を改良することで対策は可能だとは思うけど、果たして大丈夫なのだろうかと不安に思うのはぼくだけじゃないだろうなぁ。

新商品を採用して痛い目にあった事もある。

昨年、発売されたばかりのアルミ製タイルを貼らせて頂いた現場があるのですが、なんと一年で剥がれだして結局貼り換える事になってしまったのです。

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いやいやカッコいいでしょ! ピカピカ光ってねぇ。お客様もすっかり気に入って下さって、ずいぶんと喜んで下さったんですけどねぇ。それが一年でこんな姿に・・・

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浮いちゃってるでしょ?! 熱で変形したらしいんですけどねぇ、そんなの試験やらテストやら(同じ意味か)でクリアしたから発売したんじゃないのかなぁ???このタイル。 そう思ってご提案させて頂いたのに、これじゃ申し訳なくてお客様に顔向けできないよホント。

そんなわけでお客様に別なタイルを選んで頂いて、ちゃんとキレイに貼り換えさせて頂きました。もちろんメーカーさんの責任でね。

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ご覧の通りにすっかりキレイになって、お客様にもご満足いただけたので良かったのですが、やはり新しいモノには相応のリスクが伴う事を再確認させられた出来事でした。

とはいえ、ぼくとしてはこれに懲りずに品質改良を重ねて、もっと良い物を、熱で歪んだりしないアルミタイルを開発して欲しいとメーカーさんには言いたい! その為の教訓にしてほしいと願うばかりです。

と、いう事で今日は水溜りが出来ない透水性コンクリートと新しい商品を採用して失敗してしまった体験談をご紹介させて頂きましたがいかがでしたでしょうか?!

失敗を恐れていてはそこに技術の進歩は無いワケで、積極的に新しい物を取り入れて行きたいとは思いつつも、だからと言って何でもかんでも聞いた事を鵜呑みにせずに「それホント?」って自ら試して確かめる。それがぼくの仕事には必要なのだと思う今日この頃なのでした。

にしてもローコスト、しかも勾配を考えずに済む透水性コンクリート、確かに魅力ですよね?! 
あなたならアリ?ナシ?

それではまた。

M.TOMIYAMA

どういうワケか右と左の足の長さが2cmも違うんです。おまけに靴のサイズも左右で違うんです。これって一体どうやってそうなっちゃったんだろう( ^ω^)・・・

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暮らしを彩るステキなアイテムの数々やその時々に感じた大切なこと、楽しんでいることを書き残しています。毎日をほんのちょっと温かく。
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