住宅基礎の設計高さに注意!家の周りが水溜りでは悲しすぎる件
いつもご覧いただきありがとうございます。富山です。
みなさん、家を建てる際に敷地が道路やお隣の地面に対して低いのか高いのか意識されたでしょうか?!
実は道路よりも敷地が低いために周囲から水が流れてきて家の周りが水浸しで困っているお宅が結構な件数でいらっしゃるんです。
高すぎると土留めが必要になったり、あるいは足りない土をどこからか運んで来なければならない為、余計に費用が掛かるので高ければ良いと言う事でもありません。
どの位置に高さを設定するのかって、実はすごく重要な事なので今日はそのあたりのお話しをさせて頂きたいと思います。それではさっそく!
設計GLを必ず確認しよう!
家を設計する際は必ずGL(グランドライン)つまり地盤の高さを決めているハズです。とは言っても空中に高さを設定する事はできないので道路にあるマンホールなどの固定されている目印をBM(ベンチマーク)として、そこからどのくらい高くするかを決めています。このGLがとっても重要なんです。
このGLが道路よりも低いと水が敷地に流れ込んでくるので非常に厄介です。
誰だって水たまりが出来るようにはしたくないと思うんですけれども、これが意外と道路よりも低い位置に建ってしまう事がちょいちょいあるんです。
例えば以前そこに家が建っていたと仮定します。その家を解体する際にガレキと一緒に土も廃棄されてしまう事が結構あるのです。そうすると宅盤は低くなってしまいますよね。それを埋め立てずにそのままの状態でそこに家を新築してしまうと結果的にGLは低くなります。
住まう人のことを考えると埋め戻し客土を行ってから家を建てるべきだと思うのですが如何せん建築費が高くなってしまうのでローコストを売りにしている建築業者はロクな説明もせずにそのまま建ててしまう事が多いワケです。
建ってしまってから水溜りで慌てないように先ずは設計の段階でしっかりとGLをチェックして必要な対策を講じたいものですね。
水勾配は2度必要です。
なかには道路とほぼ水平だったりすることもあります。当然ながらこの場合もやはり水たまりは発生します。
敷地内が土のままか、あるいは砂利を敷いただけの状態であれば、少々雨が降っても知らぬ間に地面に浸透して勝手に消えていく訳ですが、でもそのままではあっという間に雑草ボウボウで大変なことになっちゃうのだから、やっぱりなにがしかの舗装は必要ですよね?! とくに駐車スペースは泥だらけだと嫌ですし。
そんな場合は舗装にあえて傾斜をつけて低い位置に排水溝を設けて水の侵入を防いだり、雨水を下水管に流すようにしなければなりません。
一般的に水が流れる勾配、つまり水勾配は最低でも2度必要だと言われています。
例えば6mの奥行があれば6mの2%で12cmの高低差が必要だという事です。以外にも結構な高さが必要な事が分かります。
こちらのお客様宅、ほとんど道路と同じレベルにGLが設計されていたため水捌けを考えて水勾配をつけました。その結果、基礎の半分くらいが舗装に埋まってしまい、せっかくの玄関ポーチの階段も一段まるまる埋まってしまいました。
こうならないようにする為には排水溝を設けなければなりませんがそれはそれで費用が掛かるし、見た目にも影響してしまうのでなかなか難しい問題です。
他人の土地に流したらそれは犯罪です!
ちなみにお隣さんの方に流れるように舗装を傾けるなどの細工を施したらダメですよ!これは民法第218条で禁止されていますかられっきとした犯罪になっちゃうので。なにも細工していないのに自然の地形で勝手に流れて行っちゃう場合は仕方がありません。これもちゃんと民法に規定されています。むしろ隣地から自然に流れてくる水をせき止めてはなりませんとの規定も第214条で定められています。
ここで問題になるのはそれが自然な地形なのか、人工的に造られた地形なのか、そこが重要になりますね。
雨水は下水管に流すモノ
そうそう皆さん、下水管には生活排水を流す汚水管の他に、雨水を流すための雨水管ってのがあるって知ってましたか?! これね、地域によって有ったり無かったりするので意外と知られていないですけど、場所によっては汚水管に雨水を流してはいけない地域もあるので注意が必要です。
ちなみに札幌では北側が汚水と雨水を一緒に流す合流式で南側(清田区や厚別区、豊平区の一部)では汚水と雨水を別々に流す分流式になっているんです。
だから清田区で誤って汚水管に雨水の排水溝を接続してしまったらえらいこっちゃになってしまうんです。たぶん、大雨が降ったら汚水が溢れ出てきて街中が臭くなってたいへんな騒動になってしまいそうです。
なんにせよ降った雨水は最終的に下水道に流れていく訳です。これは道路であろうと一般住宅の敷地であろうと同じです。それをどういう経路でどう流すかが重要なんです。
とにもかくにもせっかく建てた家の周りにいつも水が溜まっているなんて状況は避けたい。だからこそ設計の段階でGLがどの高さで設定されているのをしっかりチェックしておきたいものです。
でも今年は雨が多いせいなのか水たまり問題でお困りの方が多いんです。そんなワケで今日は住宅基礎の設計高さについて触れてみました。みなさんの参考になれば嬉しいです。
それではまた。