コンクリートに付く黒いシミを防ぐ方法とは?!

社長のひとり言

塀にしても舗装にしても、コンクリートは明るくて良いですよねぇ~(^^♪

今年の4月に工事をさせて頂いたお客様宅にチラッと立ち寄らせて頂いたんですが生憎の曇り空なのに、相変わらずご覧の通り眩いくらいに華やかでした。

土間コン汚れ1

特にお気に入りなのが古レンガと土間コンクリートで造ったアプローチと駐車場の舗装部分なんです。赤茶けたヴィンテージ感たっぷりの古レンガと明るいグレーの土間コンクリートが絶妙に相性が良くって何とも言えない雰囲気が漂っています。

こちらがキルンブリック

あえてレンガとコンクリートの境目をあいまいにして敷くことで一体感が生まれるようにデザインしています。こんな敷き方もコンクリートだからこそ出来る舗装ですよね。

土間コン汚れ6

コンクリートは汚れが落ちにくい?!

そんな素敵なコンクリートにも実は汚れが落ちにくいと言う残念な欠点があるんです。中でも厄介なのが雨水によるシミ、いわゆる雨だれと呼ばれる黒っぽい汚れです。

カーポートの柱の根元をよーくご覧ください。建物屋根からの雨水が落ちたであろうシミが線のように付いているのがお分かり頂けます。

この雨だれ、深く入り込んでしまうのでちょっとやそっとじゃ落ちません!無理やり落とそうとして強くこすってしまうとコンクリートの表面が剥げ落ちて骨材が露出してしまうので余計に見た目を悪くします。

土間コン汚れ

コンクリートクリーナーなども色々と試しましたが多少は改善されるのですが消し去る程には落ちません。中には数万円もする高価な洗浄剤もありますが全くもってお金の無駄でした。

ネットの掲示板には高圧洗浄機を勧める書き込みもチョイチョイ見かけますがハッキリ言って効果はほとんどありません。

打ちっ放しコンクリートも汚れます!
打ちっ放しコンクリートも汚れます!

街で良く見かけるコンクリートの塀も同じように黒っぽく汚れていますよね。こちらも原因はやはり雨だれによるモノが大半です。

ではなぜ雨だれで汚れるのか?

「普通に考えてもね、雨でしょ?!ただの雨でしょ?!それでなんでここまで汚れるの?」 そう思いますよね?! ぼくも最初はそう思ってました。ところが調べてみるとこれがまた意外と汚れているんですよね、空気。

主に空気の汚れはこんな感じです。

  • 光化学オキシダント
  • 炭化水素
  • 二酸化硫黄
  • 二酸化窒素
  • 浮遊粒子状物質(SPM)
  • 微小粒子状部室(PM2.5)

もちろんこれ、全部人体に有害な物質ですよ。

とくに二酸化硫黄と二酸化窒素は外構にとっても非常に厄介な物質です。
なんせこの2つは酸性雨の原因とされる物質なのでコンクリートが汚れたり傷んだりする原因にもなっているんですから。

しかも札幌は全国的に見ても酸性雨が強い地域らしいから余計に厄介です。とりあえず下の地図を見て下さい。

酸性雨全国

これ、国立環境研究所という国の機関が正式に発表してる2014年度のデータです。全国の主要都市で酸性雨の数値を調べて発表しているんです。
は0-4.5を表わしているのですが札幌は見事に真っ赤でしょ! ちなみにph値が2以下では生物は生きられない環境らしいです。

しかも北海道は年間の降雨量が47都道府県の中でも44位と非常に雨の少ない地域(意外と知られていないけど)。

にも拘わらず酸性雨のpH値が全国でも最低レベル。札幌市は年間を平均すると全国と同じ程度と市のHPで発表していますが上の表は月平均で表しています。つまり時期によっては凄く悪い月があるって事です。このへんの違いはデータの扱い方の難しいところです。

ともあれ、これだけ空気が汚れているってことですから。

カーポートの雨どい下もこれだけ汚れます!

それでも段々と数年かけて汚れるんじゃ「しょうがないかぁ~外だしね~」って諦めも付くかもしれないよね。でもね、すぐ汚れるんですよ!すぐですよ、特にカーポートの雨どいの下あたりなんて本当に半月程度でアッという間に汚くなりますから。そりゃ悲しくなりますよね。

半月程度でここまで色が付きます。
半月程度でここまで色が付きます。

屋根の上に降った雨が一か所に集中して流れるのだからしょうがないっちゃしょうがないのだけれども・・・

これがアスファルトだと全く汚れが分からないから切ないですね。

タイヤに踏まれる心配がない場所であれば雨どいのパイプを延長させて汚れを防ぐとか、あるいは平板などを置いて防ぐ方法で汚れ防止を施す方法も考えられますが

パイプを延長したり
パイプを延長したり
上に平板を置いたり
上に平板を置いたり

しょうがないと割り切る心構えを

ん~、今日のテーマは非常に重たい話しですね。いかんせんコンクリートはコストが掛かってますからねぇ。それだけにあっという間に汚れるとショックが大きいですよね。だからこそ、コンクリートを選ばれるのならばそれも踏まえたうえで選択して頂きたいと思うんですね。だから

ズバリ結論を言っちゃうと神経質な方はやめた方が良いです!

そもそもコンクリートの仕上がりには色ムラがあるし、風通しが悪かったり建物の陰になって日が差さない場所なんかはカビも生えやすいし、水の乾きが遅いので黒ずんでしまうのも早いです。だからある程度はしょうがないと割り切るくらいの気持ちでいなければ辛いだけです。

工場で作られた製品と違って、現場でしかもやり直しが効かない一発勝負だからこそのムラ、でもそのムラが良さであり、魅力でもあります。だからぼくはコンクリートが好きです。でも汚れが元でストレスを感じてしまう方にはやっぱりおススメ出来ない舗装や塀です。

エクスリーフで造らせて頂いた看板
エクスリーフで造らせて頂いた看板

コンクリートは重厚感があってカッコいいですよね! なんとかならないモノだろうか・・・雨だれ

こうなったら汚れを防止するっきゃないでしょ!

とは言っても、しょうがないで終わっちゃプロとして如何なものか?! と言うことでぼくがおススメしているのは撥水材による汚れ防止です。

効果は一時的で3~5年程度しか持続しませんがご自分で塗れますのでメンテナンスが楽ちんで良いですよ。
駐車場なんかで使う場合は特に汚れやすい場所に限定して塗れば宜しいかと思います。だって塗ってもタイヤが通る場所ではすぐに剥がれちゃうかも知れないので。
むしろ塀の方が効果は高いと思いますね。

ぼくが使っているのはこちらの撥水材
ナノフォス社のサーファポアC
ギリシャのナノフォス社をあのビルゲイツが大絶賛したとかしないとか・・・確かに驚くほど水を弾きます。一度お試しあれ!

撥水材:サーファポアC
サーファ

ご覧の通り見事に水を弾きますので効果が薄れて来たら見た目ですぐに分かります!べたーっと濡れていたら効果が切れた証拠です。それが分かるくらいにいつも外構を眺めていてくれたら外構屋としては嬉しい限りですね。

それでもダメなら化粧でお色直し!

もうすでに汚れてしまって撥水も今更って場合はコンクリートの表面に塗装を掛けてお化粧するしか手段はありません。今はコンクリートの色合いをリアルに再現する塗料も開発されているのでキレイ過ぎるくらいにキレイになっちゃいます。女性の化粧で言うところのファンデーションってやつかな?! もちろん化粧なので崩れると酷い事になっちゃいますのでお色直しは必須ですが!

まあ、出来が悪いのか新築の最初からお化粧をしている打ちっ放しコンクリート風のビルもあったりします。仕上りが均一化出来ないので最初から諦めて化粧するって考え方もありなのかも知れませんが、やっぱりぼくはスッピンが良いなあ。もちろんコンクリートの話しですよ!

コンクリート風
コンクリート風1

こちらの画像、普通の扉に打ちっ放しコンクリートを模した塗装を施しているんです。拡大した画像をみても本物と区別が付きませんよ。でもやっぱりキレイ過ぎるんですよね、なんかこうウソっぽいと言うかなんと言うか。

ちなみにこのお化粧、駐車場の舗装なんかにも施工出来るんですよ。もちろん時間と共に落ちてしまうかもしれませんが・・・

あとがき

土間コン汚れ1

なんだか書いているうちに随分と話しがとんでしまったみたいです。コンクリートとレンガの素敵なお家をご紹介させて頂くだけのつもりが、気が付いたら大気汚染だの酸性雨だのとえらく面倒な話しの流れになってしまいました。

今年はとくに土間コンクリートの舗装を多くやらせていただいて、おまけに来月はコンクリートの塀までご注文を頂いているのでこの機会にと書かせて頂きました。

日本の近代建築、とくにモダニズム建築にとってはコンクリートが欠かせない素材です。とは言え雨が多く四季の変化に富んだこの日本においては耐久性や意匠性に問題が多いのも事実です。だからこそコンクリートは丈夫だから「造ってお終い」ではなく、ちゃんと見た目を気にして普段からメンテナンスを行い、永く愛用してあげて欲しいと願うばかりです。

 

目立たない収縮ゴムを入れる場合もあります。

こちらは先月工事をさせて頂いた藤野のお客様宅です。ん~、ここが真っ黒なアスファルトだったら、こんなにステキには見えないんじゃなかろうか?!フェンスのカタログに使って欲しいくらいです。YKKAPさん、どう?

なんとも優しげな佇まいの素敵なおウチです。
なんとも優しげな佇まいの素敵なおウチです。

取りとめのない話しに最後までお付き合いいただきありがとうございました。(-"-;A ...アセアセ

M.TOMIYAMA

どういうワケか右と左の足の長さが2cmも違うんです。おまけに靴のサイズも左右で違うんです。これって一体どうやってそうなっちゃったんだろう( ^ω^)・・・

プロフィール
暮らしを彩るステキなアイテムの数々やその時々に感じた大切なこと、楽しんでいることを書き残しています。毎日をほんのちょっと温かく。
お問い合わせ

最新記事