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情熱とヒラメキの先にあるモノづくり

限られた時間と予算のなかで仕事を行うためにはたとえ完璧では無いとしても時として妥協せざるを得ない場合がある。
ところがどんなに悩んでも答えが見いだせなっかたハズなのに、ある時にとつぜん閃いたりする事がある。それはノンビリとお風呂に入っている時だったり、道端を歩いている時であったり、アイデアは突然に思いつくものだったりする。

そんなアイデアが浮かんだときは躊躇なく作業を止めたり、一旦終わっている物であっても惜しげもなくやり直す。時に完成したご提案書を眺めている時にいきなりイマジネーションが下りてくる時もある。

「男子三日会わざれば刮目してみよ」(もちろん女子もね)という慣用句が示す通り、ひとは日々の生活のなかで様々な情報にふれたり経験したりして、常にアップデートを繰り返している。だから急に考え方が変わったり、方針を変えたりする事は悪い事ではない。むしろ歓迎すべきアップデートであると私は考えている。

「こうした方がもっとカッコよくなる」とか「これを加えれば違う価値が新たに生まれる」とか、そういうヒラメキは得てして後から生まれるモノなのです。

ところがそこに頭の堅いCADオペレーターなり、施工スタッフなりが居ると「それなら最初からそう指示してくださいよ」とか「そんな事したら今までの時間が無駄になっちゃいます」みたいな事を言い出す人がいるワケです。まあ、言いたいことは分かる。確かに面倒くさいし。でもさ、しょうがないんだよ。降りてくるんだものヒラメキが・・・

ただ、これってある意味でしょうがない事だと思うんですよね。というか、むしろ必要なプロセスだと思うんです。自分たちの仕事に真剣に向き合えば向き合うほど「あ、あそこはこうした方が良かったかも?」と、気が付いたら知らんぷりは出来ないハズなんです。

そういう意味で少人数でやっていた時期は一人で何役もこなしていたから、なんとなく自然にそういう流れでやっていたわけです。ところが人数が増えて役割が分担化されればされるほどに変更ややり直しによる不満が高まってしまう。そうなったらこれはもうコミュニケーションで解決するしかない。でも最終的には絶対に分かり合えるハズなんです。だって良いモノを造るという目的は一緒なんだから。

だから私は現場で施工スタッフが自分たちのアイデアによって仕様変更することも是としています。造って行く段階で気付くこともたくさんあるし、なによりもスタッフを信じているから。そうやって、プランナー、オペレーター、施工スタッフがそれぞれに造りながら手を加えていく事こそが最良への道だから。つまり、わたしが描く図面や指示書は最良案にアップデートしていく為に必要な方向を示す指針のようなモノなんです。

更に付け加えると、我々クリエイターの感性や思考のアップデートを誰よりも望んでいるのがお客様であるということ。他には見ない新しいモノであったり、驚きや感動を得るモノ。そういう潜在的にお客様が望んでいるモノは理屈だけでは造れない。それは私たちクリエイターの感性から生まれるモノなのです。

そのような感性から生まれたアイデアには不思議と暖かさを感じるものです。その暖かさこそがモノづくりの本質的魅力であり、お客様が求めている価値でもある。だからこそ私はチームでアップデートしていくことを何よりも大切にしているのです。

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