IKEAキッチンの天板を賢く選ぶ方法~木製ワークトップ編~

IKEA

いつもご覧いただきありがとうございます。富山です。

ちょっと器用な方ならご自分でキッチンを取り付けすることも出来ちゃうのがIKEAキッチンの素晴らしいところです。がしかし、それゆえに部材の数が非常に多くプランニングの段階で行き詰ってしまい、そのせいでIKEAキッチンを諦めてしまう方も大勢いらっしゃいます。

中でもとりわけ複雑なのがワークトップとシンクの選別ではないでしょうか。ナチュラル感満載の木製ワークトップやコストを抑える事が出来る安価なメラミンカウンターなど、人造大理石やステンレストップしか選択肢がない国産キッチンとは違う魅力満載のイケアキッチンですが商品構成が複雑で選択が大変難しくなっています。

また、海外と日本の気候風土の違いや文化的な違いから、オリジナルラインナップとは別に日本向けの商品も取り揃えているため、いっそう難しくなっているのは言うまでもありません。
そこでイケアキッチンのワークトップを今後4回に分けて皆さんに解説していきたいと思います。これを読んで下さった方が迷わずに、ご自身にぴったりな良いキッチンを選択できるように、その一助となれば幸いです。第一弾の今回はぼくが最もおススメしたい木製ワークトップについてをご紹介させて頂きたいと思います。

その1 ~ワークトップの選び方~

exleaf19092167

自分にあった素材を見つけよう!

と、その前にまずはイケアで販売されているワークトップにはどのような素材が販売されているのかをかいつまんでご紹介させていただきます。

イケアのワークトップはおおきく分けて以下の4種類が存在しています。

  • 木製
  • メラミンラミネート
  • 人工大理石
  • ステンレス

キッチンにぬくもりを与える木製、お手頃価格で色柄が豊富なメラミンラミネート、高級感があり幅広い色とサイズが用意された人工大理石、熱や液体に強く実用的なステンレスの4種類が用意されています。

その中から自分にあった素材を選ぶポイントは以下の3つ

  1. 素材
  2. コスト
  3. オーダーメイド or プレカット

キッチンのデザインを大きく左右するワークトップの素材選びは扉の選択と同じように非常に重要なのは言うまでもありませんよね。また、その見た目と同じように素材ごとの性能や耐久性、メンテナンス方法なども踏まえたワークトップの選択がとても大切です。

と言うワケでさっそく今回のテーマである木製ワークトップをご案内させて頂きたいと思います。

ナチュラルな雰囲気が素敵な木製ワークトップ
exleaf19092168

人間は自然界に存在する全てに心地よさを感じるモノです。色の濃淡だとか木目の節の入り方だとか、そういったある意味で不規則なテクスチャに自然を感じたりするワケです。それこそが人工的に造られた有機物には決して感じる事のない温もりや暖かさなのかもしれません。愛する人たちに美味しい料理を食べてもらいたい。そう思えば思う程に料理の時間は長くなるものです。だからこそ、長い時間を過ごすキッチンだからこそ、安らぎやぬくもりを感じるキッチンを造るべき。ぼくは本気でそう考えているんです。そういう意味でもっともおススメなワークトップが木製なんです。

そんな木製のワークトップは天然木を薄くスライスした板をパーティクルボードに貼り付けたモノと無垢の集成材によるトップの大きく2種類のタイプが存在しています。

ひと昔前までは木製のワークトップやカウンター材といえば無垢の集成材が主流でしたが、天然木であるがゆえに乾燥による反り返りやひび割れが問題でした。そのため今では木材を薄くカットした板を反りや割れが少ない合板に貼り付けたモノが主流となっているのです。それがいわゆる突板と呼ばれる製品なのです。

イケアでは突板のワークトップがアッシュ材、オーク材×2種、ウォールナット材、の計4色発売されており、それぞれに4サイズが用意されています。

突板のワークトップは全4色

アッシュ材は北米大陸に広く分布するモクセイ科の広葉樹で、ナチュラルテイストのぴったりな色合いと野球のバットに使われるほどの硬さと耐久性に優れた素材です。

アッシュ材
アッシュ材

オーク材はヨーロッパで住宅の床や造船に使われてきた欧米では馴染みの材料です。ウイスキーの樽もこのオーク材が使われています。一言でオーク材といってもホワイトオーク、レッドオーク、日本ではナラもオーク材と呼ばれたりします。

オーク材1
オーク材1
オーク材2
オーク材2

ビンテージな印象があるウォールナットは油分を多く含んでいるためツヤが感じられて、そのう経年劣化によって色合いが明るく変化します。硬さや弾力もあるためエレキギータの素材としても使われています。ウォールナットをそのまま訳すと”くるみ”、つまりはくるみの木ってことですね。

ウォールナット材
ウォールナット材
こちらは無垢の集成材でつくられたバーチのワークトップ

唯一、無垢の集成材がこちらのバーチ材です。バーチ材は反りなどの狂いが極めて少ないため集成材としても使用が可能です。また、劣化による色の変化も少なく、そのうえ水にも強いなんとも頼もしい材料です。また価格もそれほど高くない割りに品質が良いため、たいへんコスパに優れた材料です。

バーチ材
バーチ材
オーク材”KARLBY”を使ったキッチン
オーク材”KARLBY”を使ったキッチン

長く使用するためにはメンテナンスが重要です!

木製ワークトップをキッチンの天板として長く使用するためにはメンテナンスが欠かせません。とくに汚れや水を寄せ付けないためのオイル加工は非常に重要です。もちろんイケアのワークトップなら工場でオイル加工が既に施されているため、そのまま使用する事が可能です。とはいえ、定期的なオイルの塗布は必要になります。目安は1年に一回程度で大丈夫です。ウエスにオイルをしみ込ませてトップに薄塗りで馴染ませるだけ。メンテといってもそれほどの手間ではありませんのでご安心ください。

オイルは自然素材でつくられた人体に優しいリボス社のビボスをお勧めします。ニオイも少ないのでとても扱いやすく、そのうえウエスやサンドペーパーまでも付いてきます。表面の傷が気になるときは付属のサンドペーパーで擦ってからオイルを塗って下さい。ね、意外と簡単でしょ?!

プレカットだから穴加工が必要です!

木製ワークトップは既製品として予め4サイズが用意されています。その中から一番適したサイズを選び、持ち帰るだけですぐに取り付けが可能なプレカットタイプとなっています。半面、シンクやコンロ部分の穴加工が必要となりますのでご注意下さい。そのための道具も必要になります。

搭載可能なシンクはオーバーシンクとなります。

木製ワークトップへの取り付け方法はワークトップに穴をあけて上から乗せるオーバーシンクタイプとなります。下から溶接等で固定するアンダーシンクタイプとは異なり取って付けた感は否めませんが選択が可能なシンクの種類が豊富に用意されていますので、お気に入りが見つかるかもしれません。

exleaf19092179
exleaf19092178

但し、オーバーシンクタイプは海外向け商品であるためゴミ収納カゴの設定が無く、また大量に水を流す日本とは異なり、海外では一般的にシンクに蓋をして、シンク内に水をためて洗い物を行うため、排水口の大きさが小さく、排水の流れが悪いというデメリットもある。食器洗い機を併用する場合は問題がないと思われるが手洗いで大量の水を流しながら洗う習慣がある方は木製ワークトップを諦めざるを得ないかもしれません。

大げさに聞こえるかもしれませんがまるで排水管が詰まった?と思うほど水の流れが悪いです。いかに日本が水に恵まれた国なのかが良く分かる例ですが、知らずに買うと不満だけが残るのでこの違いだけは知っておいた方が良いでしょう。

exleaf19092177
exleaf19092174

尚、人工大理石やステンレスのワークトップはカスタムメイド仕様となっているため製作に時間を要するものの、日本で広く採用されているアンダーシンクタイプのシンクを取り付ける事も可能です。また、その場合はゴミ収納カゴが付いたお馴染みのシンクを選択することも出来ちゃいます。そのうえワークトップの穴加工も不要なので組み立ての手間が減ります。

お馴染みのゴミ収納付き排水トラップ
お馴染みのゴミ収納付き排水トラップ
アンダーシンクタイプ
アンダーシンクタイプ

いかがでしたか?今日はイケアキッチンの木製ワークトップについてをご紹介させて頂きました。それぞれの長所や短所をよく理解したうえでご自分にあった素材を選び、満足のいくキッチンをつくっていただけたら幸いです。次回はメラミンラミネートのワークトップについてをご案内させて頂きたいと思います。

それではまた。